
小さな「弾きあい会」を開きました
先日、教室で小さな「弾きあい会」を開きました。
発表会ほどかしこまらないけれど、ひとりで練習しているだけでは味わえない、ちょっとした緊張と、あたたかい時間になりました。
今日は、そこに来てくれた子どもたちや、おうちの方にも向けて、この日のことを書いてみようと思います。
大人だって、人前で弾くのはドキドキします
ピアノは、どうしても「楽譜を読む時間」「指を動かす練習の時間」が必要な楽器です。
「あ、今度弾きあい会があるんだ。じゃあ、この曲をちょっと持って行って弾いてみようかな」
と、その場の思いつきだけで弾けることは、あまり多くありません。
人前で弾くには、子どもも大人も、やっぱり準備がいります。
今回の弾きあい会には、大人の生徒さんが5名中4名、参加してくれました。
みなさん、「ピアノが弾けるようになりたい」「音楽を生活の中に置いておきたい」と思っている人たちです。
毎日いそがしい中で、それでも時間をつくって、
「この日のために、がんばろう」と練習をしてきてくれました。
大人でも、人前で弾くのはドキドキします。
うまくいかないこともあります。
それでも「出てみようかな」と思って、ステージに立つ姿を、子どもたちに見てもらえたのは、とてもよかったなと思っています。
「まじめに練習」だけじゃない、ピアノの楽しさ
ピアノというと、「まじめにたくさん練習しなくちゃいけない」というイメージを持ちやすいかもしれません。
もちろん、少しずつでも練習を続けることは大切です。
でも、特に大人になってからのピアノには、
「むずかしさもふくめて、面白い!」と思えること
が、とても大事です。
ピアノは、思っているよりもむずかしい楽器です。
思いどおりに指が動かなかったり、なかなか覚えられなかったり。
だからこそ、「ああ大変だなあ」と笑いながらも、音がつながった瞬間のうれしさを味わえると、長く楽しめるようになります。
子どもたちが今、がんばっていることは、
「大人になってから、もっと自由に音楽を楽しむための土台づくり」でもあります。
子どもたちにも手伝ってもらいました
今回は、大人4人だけだと時間が余ってしまいそうだったので、曲が比較的仕上がっているお子さんにも声をかけました。
すると、このお子さんたちとも、たまたま「みんなで歌える曲」をレパートリーにしていたんです。
せっかくなので、
- 1回目は、一人でピアノを弾く「独奏」
- 2回目は、みんなに歌ってもらいながら弾く
という2パターンで演奏してもらいました。
聴いてもらうだけでなく、一緒に歌ってもらうことで、
大人も子どもも、ふわっと表情がやわらかくなっていくのが印象的でした。
ピアノで「輪唱」もしてみました
途中の休けい時間には、ピアノで輪唱もしてみました。
「鐘の音」という曲を、鍵盤の位置を少しずつずらしながら弾いたり、上から「かえるのうた」を重ねてみたり、響き合う音を足してみたり。
みんなでピアノのまわりに立って、「ここはどんな音が合うかな?」と試しながら弾く時間になりました。
楽譜どおりにきちんと弾くだけではなく、音で遊んだり、響きを味わったりすることも、ピアノの大事な楽しみ方のひとつです。
「うまく弾けなかった」も、ふつうのこと
本当に小さな小さな弾きあい会でしたが、もちろん、緊張して思うように弾けなかった人もいました。
子どもも大人も、それは同じです。
でも、それはとてもふつうのことです。
人は「いつもとちがう」「失敗したくない」と思うと、ふだんはなんでもなくできることでも、急にむずかしく感じることがあります。
だからこそ、ドキドキしながらも、人前でピアノを弾いたこと自体が、とてもすばらしいことだと感じています。
人前で弾くことに、少しずつなれていくこと。
それは、もっとピアノを楽しめるようになるための、一歩一歩です。
大人が弾く姿を見せる理由
教室では、ときどき「大人の生徒さん」がステージに立つ場面を、あえて子どもたちにも見てもらうようにしています。
それは、
「ピアノは、大きくなってからも楽しめるものなんだよ」
ということを、目で見て知ってほしいからです。
今がんばっている基礎練習や、曲づくりの時間は、
「発表会で上手に弾くため」だけではありません。
おとなになったとき、
- 仕事や家事の合間に、好きな曲を一曲ひく
- 家族や友だちの前で、「ちょっと弾いてみようか」と言える
- 一人の時間に、ピアノで気持ちをととのえる
そんな時間を持てるようになるための、長い目で見た「たのしみの貯金」でもあります。
大人の生徒さんたちが、忙しい毎日の中でも練習して、
ドキドキしながらステージに立つ姿を見て、子どもたちが
「大人になってもピアノで遊べるんだ」
「じゃあ今のうちに、もうちょっとがんばってみようかな」
と、少しでも思ってくれたらうれしいなと思っています。
来年は「発表会+大人の弾きあい会」に
来年の発表会では、その一部を「大人の弾きあい会」として行う予定です。
できるだけ身内だけの、ひじょうにあたたかい空気の中で、
- 今回のリベンジをしたい大人の方
- 子どものころからずっと続けてきた人
- 大人になってから始めた人
いろいろな「大人のピアノ」を見てもらえる場にしたいと思っています。
子どもたちには、
「ピアノは、いまだけのものじゃなくて、長く付き合っていける友だちみたいな存在なんだよ」
ということが、少しでも伝わったらうれしいです。