ソレイユピアノ教室

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「良いところ探し」から「本音の音楽」へ

「良いところ探し」から「本音の音楽」へ

これまで私は、生徒さんの良かったところを見つけ、前向きな声かけをすることに力を入れてきました。

もちろん、「もっと褒めてあげられたんじゃないか…」と思うことも今もたくさんあります。でも最近は、それだけでは足りない、と感じるようになりました。

音楽に対してだけは、私は正直でいたいです。なぜなら――「よいところを褒めて終わる」だけでは、本当に音楽が良くなっていかないからです。

ピアノって、毎日決まったとおりに練習できれば理想ですが、現実は違います。忙しい日もあれば、やる気が出ない日、ほんの少ししか触れなかった日もある。でも、例え5分しか弾けない日があっても、2時間じっくり取り組めた日があっても、「その時の自分」を積み重ねていくことに意味があると、私は思っています。

それでも、できなかったことや課題にきちんと向き合って、「どうすればできるようになるのか」を一緒に悩む。それがピアノ上達の唯一の近道だと思うんです。子どもたちはよく、苦手なところや上手くいかなかったところを避けてしまいます。でも、私はその「うまくいかない」をまっすぐ受け止めて、一緒に立ち向かいたい。音楽に関しては、むしろネガティブでいい。最初からポジティブじゃなかったからこそ、自分の弱さに気づけるし、そこで「じゃあどうしよう」「どう乗り越えるか」を考える力も養えるはずです。

いつもうまくいくわけじゃない

たとえば、生まれ育った実家では私がピアノ、姉がバイオリンを弾いています。姉は小学校のころ私と同じピアノの先生についていましたが、私と比べられ「なんでできないの」と言われてとても辛かったそうです。それでも音大の短大に進み、今は仕事をしながらバイオリンのレッスンに月2回通っています。練習ができない日も、レッスンには欠かさず通う。そんな柔軟なスタンスで、今も音楽を楽しんでいます。

私自身も去年からピアノの先生につき始めましたが、「毎月コンスタントに通う」のがこんなに難しいものなのかと、改めて感じています。私はピアノ自体は得意な方ですが、特別コツコツタイプではなく、やりたいときだけやってきました。でも音楽だけは後回しにしなかったので、54年続けてこられました。

ピアノは好きで得意な方だと思いますが、私より上手な人はたくさんいますし、ほかの実務は経験不足で苦労も多いです。でもその失敗を重ねる中で、ようやく自分自身が本当に成長できていると感じています。指導者でありながら、考え方や行動が子どもっぽかったり、やりたいこと優先で動いてしまうことも実は多いです。

「ここを直せばもっとよくなる」と分かっていても、すぐに変わることはできません。それでも“やるべきこと”は見えているし、悩みながらも、本音で音楽と一緒に向き合う日々です。

いい音楽とは、人を感動させるもの

そして、最近では特に「いい音楽」を本気で求めたい、と強く思うようになっています。そのきっかけは、生徒である子どもたちが「これぐらいでいいや」とどこかで限界を決めている場面を感じたからです。

自分が「もういい」と諦めてしまったら、それ以上の成長はありません。厳しくするわけではないけれど、もっと自分の状態を客観的に見て、「ここはまだ伸びる」「もっと良くなるはず」と思ってほしい。

子どもにとって自分を客観視するのは本当に難しいことですが、だからこそ最近は「こうしたらずっとよくなる!」ということを、遠慮せずにビシビシ伝えるようにしています(もちろん全部じゃなく、部分的に。笑)。
本当に良い音楽、心からの表現を一緒に目指すために――

これからも、正直な気持ちで、生徒さん一人ひとりと向き合っていきたいと思っています。