◆勉強で忙しくなった、これから忙しくなる
◆ピアノの練習時間が取れない
◆ピアノの練習をするよう言うと子どもが反抗する
わかります。
これらには、ある共通点があります。何だと思いますか?
それは、
ピアノが楽しくなくなった、ということです。でも実は、これは、お子さんが成長したからなのです。
幼い頃は何でも素直に積極的にできていたのに、今は
・めんどうくさい
・疲れた、やりたくない
・やる気が出ない
しかし、これも成長の証なんですよ!
でも、不思議なことにレッスンは楽しい。
なぜでしょう?
それは、レッスンでは指導者とお子さんが一緒に取り組むから乗り越えられるのです。音楽は、誰かと分かち合ってこそ、楽しさが生まれるものだからです。
一人になると、自分だけで練習しなければいけなくなります。
疲れている時は、誰でもぼーっとしていたいものです。そんな時に、お母さまから「練習しなさいっ!」と言われたら、イライラしてしまうのも無理はありません。
そのため、お子さんが練習に積極的でなくなると、お母さまも疲れてしまい、結局ピアノをやめてしまう方が多いのです。
この「疲れ」の正体は、つまり
お母さまがお子さんとの衝突を避けたいと思っている
ということなのです。
ピアノを続けている限り、親子の衝突は避けられません。
それはとてもつらいことですよね。よくわかります。
頭では「ピアノを続ければ、きっと楽しめるようになるはず」とわかっていても、その苦しい道のりを選ぶのは大変なので、やめる選択をしてしまうのです。
人は未来の幸せよりも、目の前の安心を選びがちです。
でもね、ぜひ指導者に相談してほしいんです。
◆お母さまには「練習しなさい」という声かけから離れていただく
◆宿題の量を調整する
◆その時期に合わせてレッスン内容を工夫する
お子さんは一人の人格を持つ大切な存在です。
練習しないことで起きる失敗も、貴重な学びの機会です。練習を少しでもすれば確実に進歩が見られ、全くしなければ上達は望めません。この因果関係を実感できるのは、お子さん自身なのです。
練習不足を理由にレッスンを中断させようとする保護者の方もいらっしゃいますが、それは最善の選択とは限りません。
子どもたちは目の前のことに精一杯で、将来の自分を想像することは難しいものです。小学生の時期にピアノを断念してしまうと、「忙しさ」を理由に一度離れてしまった楽器に、後から自ら戻ることは極めて稀です。
一度中断してしまうと、時間の経過とともにピアノへの心理的な距離も広がっていきます。1年、2年と空白期間が延びるほど、再開へのハードルは確実に高くなっていくのです。
でも、本当にたくさんの時間がないと練習できないのでしょうか?
そんなことはありません。限られた時間でも、工夫次第でできる方法はたくさんあるのです。
それはレッスンを通じてこそ見つかります。
ピアノ指導者はピアノ学習の先輩です。指導者であっても、毎日欠かさず練習することは決して簡単ではありません。
だからこそ、ピアノ学習の先輩としての知恵をレッスンで学んでいくのです。
困難は、固定観念を覆すチャンスです。
ピアノのレッスンを続けながら、効果的な練習方法を見つけ、親子で穏やかな関係を築くことができます。
長くピアノを続けていると、毎回完璧な練習ができるわけではありません。その状況に応じて工夫しながら取り組んでいくものなのです。
一つの課題を乗り越えることで、ピアノの練習で得た知恵を他のどんな困難にも活かせるようになるかもしれません。
また、親子間でイライラや衝突が生じやすい場面を見直す機会にもなります。
ピアノは長く続けられる素晴らしい習い事です。
保護者の方から指導者への「一度の相談」が、お子さんの才能をさらに伸ばすきっかけとなることもあるのです。