すべきことをやった自分+自分の努力を可視化
レッスンノートでは、練習の過程「自分がすべきことをやったこと」「自分の努力を認めること」ができ、達成感を得ることができます。
ピアノレッスンでの達成感は、一生懸命の練習した結果です。ピアノは一週間の練習の結果が評価されがちですが、すべての子供が短期間で結果を出せるわけではありません。
だからこそ、子供が練習したことそのものを評価することが重要です。家での練習が認められれば、「私がんばったよ!」と子供は自己評価ができます。達成感は、自分が課題を完了し「自分はがんばった」と感じることから得られます。
自分の努力が残る
レッスンの始まりに忘れてはならないのは、練習の振り返りタイムです。
これはレッスンで最も大切な時間です。
毎日一生懸命に記録された練習の内容には、生徒の思いが詰まっています。
「練習頑張ったよ!」「たくさん練習したんだよ!」「難しいところ、レッスンでがんばるよ!」「ここは難しくて練習が嫌だったよ…」など、生徒たちは自分の思いを理解し反応してくれることを望んでいます。
必ず一緒にノートを見て、頑張ったことや毎日の練習について話し合います。これはたった1分から2分のコミュニケーションの時間ですが、非常に重要な時間です。
生徒は自分の頑張りが先生に認められたと感じ、苦手なところを今日一緒にレッスンできると安心します。生徒のレッスンに向かう思いと実際のレッスン内容が一致すると、充実感と達成感が生まれます。
毎週このプロセスを繰り返すことで、レッスンノートが欠かせないツールになっていきます。
レッスン後の振り返りタイム
私は、小学生中学年からはレッスン終了後にも振り返りの時間を設けることにしました。この振り返りによって、生徒が自己評価を行い、自身の進歩を確認する重要な時間になるように考えました。
お子さんが努力をしたものの、私に評価されず、生徒が泣いたり、涙をこらえたりする場面があったからです。
たくさん練習してきたのに、レッスンではうまく演奏できなかった時。
大人でもよくあることと思います。
でも子どもは自分を否定されたように感じてしまう時があります。
レッスンの後の振り返りは、自分のやってきたことと、うまくいかなかったことを客観的に見て、自分の感情を整理しながらレッスンを終えるこを目的としています。
「練習したこととレッスンでの結果が少し違ったね。どう思った?」
と尋ねると、多くのお子さんはすぐには答えられません。
感情は言葉を持たないため、言葉がすぐに出てこないことは当然だと思います。
またすぐに答える必要はありません
でも、感情を言葉にすることで、次に何をすべきかが明確になります。
レッスンの時間も少ないので、言葉が出せない時は「では、家に帰ったら、ここに書いてみてね」と提案することもあります。
なぜ違ったのか、何に注意すべきだったのかを自分で考えるには、まず自分の気持ちを整理することです。気持ちを整理して、初めて次に進められます。
自分で自分の努力を認められた時自己効力感が生まれる
先日、私は高学年の生徒と一緒にレッスンの振り返りを行う機会がありました。
その際、生徒が一生懸命に練習してきた成果を、こんな風に表現しました。
「練習の甲斐があって、間違えずに弾けるようになった!」と、自信に満ちた声で語ったのです。
この一言を聞いた瞬間、私はとても嬉しかったです。
生徒が自分の成果を認め、それを素直に表現できることは、私にとって最高の報酬です。
生徒が自分が行ってきた努力を認めた証でもあります。
指導者の役割は、ただ教えるだけでなく、生徒が自分自身を理解し、自分の進歩を感じることができる環境を提供することです。そのためにも、レッスン後の振り返りは重要な時間だと思っています。