ソレイユピアノ教室

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一緒に練習をしよう~オンライン練習のすすめ~

忙しい時期に切れない糸

学業が一気に忙しくなり、レッスンで言葉がほとんど出なくなった生徒がいます。年長から続けてきた子です。ドリルをやっていた時にはできていた譜読みもあいまいになり、問いかけには小さくうなずくばかりの日が続きました。無理に気合いを求めるより、どうしたらいいか考えていました。

月3回のレッスンを希望していましたが、あまりの疲労で月2回になりました。45分のレッスンがもたなくなり、今までなかったトイレ休憩も必要になりました。30分に短縮してから時間はちょうどよくなりましたが、レッスン中にあくびが出たり、ほんの少ししか進まなくなりました。これはもう、本当に疲れているんだなと思うようになりました。

通いのレッスンより、オンラインの方がいいのでは?と思いましたが、このまま何もしゃべる気力もないのにレッスンをしていても面白くないと感じ、時間がない中、お母様に時間をつくってもらい、オンラインで面談をしました。

メッセージアプリで話している時のこと。全く練習ができていない状況なので、オンラインのレッスンはどうかと提案してみました。すると、「オンラインだともっと練習できなくなる」と返事が返ってきました。今でも練習ができないのに、オンラインにすると通う時間が減るから、かえって練習しなくなると考えるのかな、と疑問に思っていました。そのうち、「オンラインで練習」というのはどうかな?と頭に浮かんだので、提案してみたのです。毎日自分の意思で練習できないのであれば、週1回だけのオンライン練習を試してみるのはどうかと。

はじめは5分練習のつもりでしたが、私も生徒も動作がゆっくりでキビキビ動けません。タイマーで測ってみると13分前後のことが多かったのです。それで、15分を一コマとして練習時間にしたら、本来なら5分でできる練習を10分やるわけだから、とても充実しているじゃないかと考えるようになりました。

小さな場を先に置く

始める前は本人の抵抗があるかもしれないと思っていました。ところが、打ち合わせの時のビデオ通話では、気軽に「大丈夫です」とのこと。学習塾の都合や体調不良があったら必ず連絡することなどを決めて、体調不良のときを除けば休まずカメラの前に現れます。最初と最後に1〜2分の雑談をはさむだけで、「あ、元気そう」「リラックスしてる」と感じられます。

やる気を待つのではなく、やる気が来やすい道筋をつくる。小さな「維持の場」は、練習へ入る段差を低くしてくれているように感じました。

維持がやる気の到着を早める

オンライン練習では、音階をゆっくり2回弾きます。最初はおぼつかなくても、どんどん良くなっていきます。合計8回ぐらい弾いたこともありましたが、次の回には1回目はおぼつかなくても、2回目はすんなり弾けるようになっていました。記憶の力ってすごい。そう思います。

その前後は全く練習ができていないけれど、そのためのオンライン練習なので、気にしません。新しいことを始める時は、丁寧に、1つの動作だけを集中してやるだけ。とてもゆっくりですが、これが「難しそう」というハードルを低くする秘訣です。できたかどうかより、「今日も触れた」を積み重ねること。数週間で、譜読みのあやふやさが少しずつ整い、短い言葉が自分から出てくるようになりました。

続ける/やめるで悩むのは、悩みが増えたとき。だからこそ、悩む前に手が届く習慣を置いておく。これは音楽に限らず、学びのどこでも役に立ちます。

自分は学習のプロと銘打って

教室周辺の地域では、小学生から中学受験が始まったり、毎日習い事をしているようです。それだけお子さんのやる気が見えるのでしょう。だからこそ、長期間全てを続けるということがとても難しいのだと思います。ピアノは、試行錯誤が当たり前の習い事なのです。

試行錯誤とは、やめる・やめないではなく、自分に合ったやり方を模索することです。ピアノ演奏をラクに続けてきた人は考えないのかもしれませんが、私は自分の学び方について模索してきましたので、特にそのように感じるのかもしれません。

現代のお子さんは、模索をするほどの時間がありません。

やめてしまえば簡単ですが、ほんの数か月やめただけで、次に弾くことはとても難しくなってしまいます。ピアノはそのぐらい微細な感覚で弾くものです。私は自分のことを「ピアノ学習のプロフェッショナル」と銘打っています。

私がピアノを続けて来られたのは、音楽が好きというパッションがあったから。この炎を40年近く保ってこられた理由は、試行錯誤をしたからだと思います。残りの10年(現在ですが)は、努力をしています。40年間の模索を経て、初めての努力です。

 

「弾く前」に育てる力。ピアノは土台がすべてを支える

ピアノはまず土台が大事

幼児から始めればすぐ弾ける——そんな期待は自然ですが、ピアノは短期で両手がスラスラとはいきません。まず育てたいのは、音で遊ぶ感覚、拍を感じる体、集中して聴く耳という“土台”です。ここができて、はじめて譜読みや表現が伸びていきます。

最近は、必要な知識を早く多く入れたいという思いから、興味があれば次々と始める傾向があります。多くの習いごとは「その場で体験して完結」でも意味がありますが、ピアノは違います。レッスンで得た感覚を家で反芻し、短い時間でも練習で再現していく積み重ねが要になります。

楽しさより下地・練習した数がものを言う

「ピアノは楽しいもの」というイメージは大切です。ただ、忙しくなるとピアノのことを考えられなくなり、楽しさだけでは続かない時期が来やすいのも現実です。そこで効くのが“下地”。拍を保つ、音の高低や強弱を感じる、体で表す、指先と姿勢の準備——こうした基礎があると、気持ちが揺れる時でも再起動のきっかけになります。

一度やめてしまうと、できない感覚が増え、苦手意識が強まることがあります。手が育つ5歳前後は始め時のひとつですが、近年は不器用さを抱える子が増え、指先の協調や体の使い方に時間が必要です。だからこそ、幼児の音楽レッスンで“動く・聴く・まねる・うたう”の経験を重ね、ピアノ準備に穴をゆっくり埋めていきます。

不器用さが強い場合、ピアノ開始を焦るほど歩幅が合わず、音楽的な自立までの時間軸が後ろにずれやすくなります。5〜6年弾いたとしても、基礎の定着が浅いまま中断すれば、再開時に「ほとんど残っていない」と感じることも。ピアノはシビアに土台がものを言う習いごとだからです。

音楽は早く成果より長く好きが上達の秘訣

当教室の幼児クラス「音楽レッスン」は、歌う・聴く・動く・まねるを軸に、音の高低・強弱・長短を体で味わい、手拍子やステップ、ピアノベルなどを使い、遊びながら、音楽の基礎部分を補強します。ことばリズムや簡単な歌で表現を広げ、鍵盤につながる姿勢や指先の協調、数える感覚を育てます。

“早く成果”より“長く好き”。家でも一緒に口ずさみ、手拍子をし、音楽を話題にする——そんな小さな習慣が、教室の30分を大きく支えます。無理なく、でも確実に、音楽と仲良くなる時間を重ねていけたらいいですね。

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