学年が上がるたびに、ピアノの練習時間は年々とりにくくなっています。
私の教室では、レッスンノートを使い、日々の練習ができるようになっています。だからこそ、お子さんが少しでも練習がしにくくなってくると、保護者さまとしてはきつくなってきますね。
保護者さまが「練習をしなさい!」というのは、私にとってはとてもありがたいことです。
私の側に立っていてくれるのですから。
でも「やりなさい!」と言ったら、やりたくなるでしょうか?
なりませんね。
ピアノの練習で陥りがちなこと2つ。
- 練習をしないことに怒ってしまう
- 確認や催促だけをしてしまう
怒ってしまったり、指示語だけでは、お子さんの気持ちを感じることができません。
人は「状況」に注目しやすくいのです。
状況に注目して叱ってしまうと、イヤ~なやりとりが、親子のコミュニケーションの一部になってしまいます。
練習しなさい!
・いやだ!
・何もしない
このやりとりに未来はありません。
ところで、なぜお子さんは練習をしないのだと思いますか?
NLPに、肯定的意図・・・という考え方があります。
*NLPとは、自分のものの見方や考え方を客観的に見て、思考に変化を起こす心理学のこと。
否定的な行動には、必ず肯定的な意図があるのです。
お子さんが嫌がる・・・のは親にとって「否定的な行動」です。
お子さんの否定的な行動の裏には、必ず「肯定的な理由」があります。
子どもは、
「こういう理由だからイヤ」だとは、ハッキリ言いいません。
こちら側から見ればなんだかわからないけど、やりたくないからと言います。
そして親からやみくもに言われると、もっとやりたくなくなります。
親御さんは、お子さんの感じている本当の欲求をさぐってみませんか?
お子さんの様子を見ていればある程度わかりますよね。
・ゆっくりしたい
・ぼーっとしたい
さまざまな出来事を整理する時間が不足しています。
詰め込むだけではダメで、遊びの中でぼんやりさせたり、好きなことを集中する時間を取る。わ~っと発散させる環境も必要です。
ピアノは心のリセットに向いています。
もし親御さんが忙しすぎて、時間がなく、
「ああしなさい」
「こうしなさい」
「これは終わったの?」
というような指示語ばかりを言っているとしたら、コミュニケーションが足りていません。
お子さんの気持ちを汲むやりとりが不足しています。
具体的には親からの愛情表現です。
「あなたを大切に思っているよ」
「あなたの話しが聴きたい」
「あなたには価値がある」
というメッセージです。
具体的な愛情行動は、以下のようなことです。
・普段からお話しを今まで以上によく聴くようにする
・お話しを否定しないで聴く
・共感して聴く
・目が合ったらほほえみ返す
・ハグする
・手をつなぐ
・お子さんが甘えてくる時の行動を親御さんからしてあげる
もちろん、その行動を1回やってあげたからといって、練習が即できるようにはなりません。
親御さんの時間があれば、ピアノの練習の時、横に付き添うって肯定してあげるのも1つです。
でもその時間もとれない、疲れ果てている場合、とにかく、できることから愛情行動を続け、お子さんに毎日貯金をしていきましょう。