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音符早見表

音符がスラスラ読めるために、幾つかのツールがあります。これをやれば「絶対!」ということではありません。音符早見表は、音符が分からなくなった時にすぐ活用することができます。

旅行先で見つけた

2003年に訪れた香港の楽器店で、音符早見表を見つけました。厚紙に透明な硬質なクリアファイルのような素材のものをスライドしているものでした。しかしそのスライドは硬かったので、すぐ壊れてしまいました。アイデアは良いなあと思いつつ、そのままにしていました。

音楽ドリルにつけたい!

2016年に出版した「たいへんよくできました・小学生の音楽ドリル」を出版することになった時に、香港で見つけた音符早見表のようなものを付録としてつけたいと出版社に伝えました。自分でも作ってみたのですが、素材が紙だけではないことにどうしたものかと悩んでしまいました。その時は私にいいアイデアがありませんでした。出版社からも、出版物ではなく音楽グッズなどの会社に行ってみてはどうかと提案がありました。しかしこれを単体で扱う商品の力は弱いのではないかと思い、音楽グッズとしての活用は諦めてしまいました。

巻末につけるアイデア

それから数年「たいへんよくできました」の改訂の話しがありました。その時、クリアファイルを使った早見表のアイデアが浮かびました。クリアファイルは指導者が自ら用意すればいいと思いついたのです。音符の読みに困っている生徒をもつ指導者は、これは良いと思ってくれたら…とかすかな希望を抱きました。音符早見表をつくる手順を書いたページを作成して、出版社に提案してみました。「これはいいですね」というお返事をいただき、「よっしゃ~!」

大誤算のコロナ禍

しかしその後すぐにコロナ禍に突入。私もコロナのあおりを受けて、ドリルの制作が宙に浮いてしまいました。大手楽器店が次々に閉鎖に追い込まれたためです。

売り場が縮小され、ドリルの改訂もままなりません。「もう私には教材を書くチャンスがないかもしれない。」そう思いました。

生徒や指導者の困ったを緩和する

しかし、ピアノを教える傍ら、曲集やドリルを出版することは私のライフワークになっていました。現場の生徒を見てきた私が、ピアノ指導をされる先生の「困った」を少しでも緩和できたら…と考えここまでやってきました。そして何より私は、自分の教材を作っては生徒に試し、修正を重ねてきたからこそ、自信をもってやってきたことを思い出しました。

自分の思いを人へ

自分が思ったものをすぐ書いて、すぐ売り出せればそれに越したことはありません。私の場合は教材のはじまりはたいてい、単なるメモ帳です。そして生徒さんに試す所から始まります。たまたま出版社とつながりが持てた私は、原稿を見てもらうことができ、出版するかどうか検証してもらえたのです。そして企画が通ったら、浄書を繰り返し、時間とお金がかかっているのです。時間がかかることでのデメリットは1つあります。それは私自身の教え方が変わってしまうことです。出版する時に、一度目を通させてくださいとお願いし、最小限の直しで済むように変えていきました。

おわりに

教材は、はじめはただの「紙」です。それが、原稿になり、本になっていきます。私の教室にきてくださっているピアノ調律師さんが「この形はいちばん洗練されたものですよね」と言いました。そうなんです。人の手を渡り、私の教材は一人前になっていくのです。